書道家に必要な雅号とは?つける目的や3つのつけ方を徹底解説

雅号を捺印する様子

書道をはじめると、雅号という言葉を聞くことがあります。しかし、「雅号ってなんだろう?」と疑問にもったことのある人もいるのではないでしょうか。雅号は書道をするのに重要なものなので、この記事を参考に内容を把握しましょう。今回は、雅号の概要やつけ方について解説していきます。

雅号とは

雅号とは、書道家や画家、華道家が本名とは別につけるペンネームのような名前のことです。書を書いたあと雅号を書くことで、誰の作品かを表すことができます。雅号をつける風習は中国から伝わっており、夏目漱石の「漱石」も雅号です。雅号はいつでももつことができますが、書道教室や流派によっては指定の段位を取得してからつけることもあります。

雅号は必ず必要なものではない

雅号は、書道家にとって必ず必要なものだとは限りません。本名が漢字2文字であれば、本名をそのまま使うことも可能です。そのため、自分の名前をそのまま使いたい人は雅号を考える必要がないのです。しかし、本名がひらがなの人や2文字以外の漢字の人は、雅号を考えてみることをオススメします。

雅号のつけ方

雅号のつけ方には、主に2つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットもあわせて見ていきましょう。

 

  • 書道教室の講師につけてもらう
  • 日本習字で申請する

 

書道教室の講師につけてもらう

雅号は、通っている書道教室や師事している団体の講師や師匠につけてもらうことができます。講師が一からつける場合は、講師や師匠の雅号から一文字もらう場合、講師と一緒に考える場合などシチュエーションはさまざまです。しかし、講師や師匠によっては断られる場合もあるので、まずは事前に確認してみましょう。人によっては、お礼料として料金が発生することもあります。

日本習字で申請する

日本習字の会員であれば、年齢や資格などに関係なく誰でも日本習字に雅号を申請できます。名前にこだわりがない人であれば、完全に任せることができるのでオススメです。申請料金は11,000円で、申請から1〜2ヶ月程度で雅号之証を受け取ることができます。ただし、どのような雅号になるかは雅号之証が届くまでわかりません。

見栄えのいい雅号のつけ方

雅号は作品とともに書く機会が多いため、見栄えのよさにも気を配らなければいけません。好きな漢字に加え、漢字の見栄えも意識して雅号をつけましょう。ここからは、見栄えのいい雅号をつけるポイントを2つ紹介します。

 

  • 画数の多い字と少ない字を組み合わせる
  • 異なる構成の漢字を使う

 

画数の多い字と少ない字を組み合わせる

漢字2文字の画数が違うと、メリハリができて見栄えがよくなります。たとえば「漱石」は、一文字目の画数が多く二文字目の画数が少ないですよね。このように画数の多い字と少ない字を組み合わせることで、自然と大小の漢字に変化が生まれます。同じ画数の漢字を組み合わせると単調になりやすいので、注意しましょう。

異なる構成の漢字を使う

漢字には数種類の構成があり、異なる構成の漢字を使うことで文字の見栄えがよくなります。「漱石」の場合、「漱」は編と旁、「石」は単体の漢字です。ただし、漢字は編と旁で構成されているものが多いため、編と旁の漢字が重複する雅号でも問題ありません。そのような場合は、「桜杉」など同じ部首が続く雅号は避けましょう。

まとめ

雅号とは、書道家がつけるペンネームのような名前のことです。漢字2文字で構成されており、自分の作品の横に記載します。雅号は必ずしも必要なものではないですが、本名が漢字2文字でない場合や見栄えをもう少し良くしたい場合は、今回紹介した2つの方法のいずれかで雅号をつけてみましょう。

雅号は、自分の作品すべてに使われます。雅号に興味が湧いた人は、まずは書道教室に通い、さまざまな作品を作ってみましょう。東京・自由が丘にある書道研究 尚美社では、プロの書家が本格的な指導を行っています。書を極めたい人や字に苦手意識をもっている人は、まずはお気軽にご相談ください。