美しい文字を書くためには、ペンや筆の正しい持ち方は欠かせません。正しい持ち方をすることで自然と文字の書き方も変わり、バランスが整った綺麗な文字を書くことができます。今回は、ペン・筆それぞれの正しい持ち方について3つのコツを紹介していきます。ペンや筆の持ち方が不安な人は、今回紹介するコツをぜひ参考にしてください。
ペンと筆の持ち方は違う!
ペンと筆はどちらも形状が似ていますが、実は持ち方が大きく異なります。普段持ち慣れているペンの持ち方で筆を持つと美しい字が書けない可能性があるため、ペン・筆それぞれの持ち方をしっかりと知っておくことが大切です。持ち方にクセがついている人でも、正しい持ち方を把握して練習すれば矯正することができますよ。
ペンの正しい持ち方
ペンを正しく持つためのコツは、以下の3つです。
- 3本の指で持つ
- 手首を固定する
- ペンを60度の角度になるよう傾ける
3本の指で持つ
ペンの持ち方で重要なのが、親指・人差し指・中指の3本の指を使ってペンを支えることです。基本的に親指は力を加えるために使い、人差し指で動きを調整し、中指で動きを支えたり止めたりします。親指と人差し指でペンをつまみ、中指をペンに添えながら3本の指をバランスよく使いましょう。
あまった薬指と小指は、中指にそろえるように添えます。小指を伸ばしてしまうと力のバランスが崩れるため、小指は手のひらにつくように曲げて少し力を入れると、手が疲れにくくなります。
手首を固定する
ペンを正しく持つだけでは、美しい文字は書けません。持ち方に加え、手首を固定してペンをコントロールすることが大切です。ペンを持つ手の手首から小指の付け根の側面をぴったりテーブルにつけ、手首が浮かないように固定します。先述のとおり小指に少し力を入れて曲げることで、長時間文字を書いても疲れにくくなります。
ペンを60度の角度になるよう傾ける
美しい文字を書くには、ペンの角度にも気を配りましょう。紙やテーブルに対して60度程度になるような角度でペンを持つことで、美しい字を書きやすくなります。ただし、ボールペンの場合は角度が小さすぎると字が出にくいこともあるので、ペン軸を少し立てながら持つことが美しい文字を書くコツの一つです。
人差し指の第2〜3関節の間でペンを支えるように持つと、自然と60度程度の角度を保つことができます。正しい持ち方や構え方をしても美しい文字が書けない人は、角度が60度から離れているかもしれません。
筆の正しい持ち方
筆の正しい持ち方は、ペンとは大きく異なります。筆を正しく持つコツは、以下の3つです。
- 2種類の持ち方を把握する
- 目的によって持つ場所を変える
- 持ち方だけでなく構え方にも気を配る
2種類の持ち方を把握する
筆の持ち方には「単鉤法」と「双鉤法」と呼ばれる2種類があり、それぞれ指の使い方が異なります。それぞれの特徴を把握し、自分に合った持ち方を選びましょう。
単鉤法
単鉤法は一本がけとも呼ばれ、親指と人差し指を使った筆の持ち方のことです。親指を筆に対して垂直にし、人差し指と合わせて筆の袖を軽く持ちます。残りの3本の指は、人差し指の横に添えましょう。単鉤法で持つと指先に力が入りやすいため、細かい字を書くのに適しています。
双鉤法
双鉤法は親指・人差し指・中指の3本の指を使った持ち方のことで、二本がけとも呼ばれています。ペンの持ち方と指の使い方が似ているため、初めて筆を握る人にとくにオススメの持ち方です。単鉤法よりも筆を支える指の数が多く、安定して文字を書けるメリットがあります。
目的によって持つ場所を変える
筆の持つ場所は、目的によって異なります。持つ場所が筆の先から離れれば離れるほど筆を大きく動かすことができるので、軽やかな文字を書きたい人は筆の上の方を持つようにしましょう。安定した文字を書きたい人は、筆の下の方を持つのがオススメです。筆が安定すると、細かい文字や強い文字を書くことができます。
持ち方だけでなく構え方にも気を配る
筆を使う際は、持ち方だけでなく構え方も重要です。筆の構え方には3つの種類があり、それぞれの構え方によって書きやすさや適した文字が異なります。持ち方とあわせて、自分に合った構え方を選びましょう。
懸腕法
懸腕法は、肘をテーブルから離して構える最も一般的な構え方です。肘と脇の間に拳一つ分程度の隙間を空け、力を抜いた状態で文字を書きます。肘や手首が固定されていないので、肩や手首を活かして文字を大きく大胆に書くことができるのが特徴です。
提腕法
提腕法は、手首から肘をテーブルにつけたまま文字を書く構え方です。肘はテーブルに添える程度に置き、紙の上を滑らせるように筆を動かします。支えがあるため懸腕法よりも安定して文字を書くことができますが、大きな文字を書くのにはあまり向いていません。
枕腕法
枕腕法は、利き手ではない手で紙を押さえてその上に利き手の手首を乗せる構え方です。筆先がぶれず安定した文字が書けるため、小さい文字や細かい文字を書くのに適しています。枕腕法を使って長い文を書く場合は、右手と左手を同時にずらしながら文字を書いていきましょう。
まとめ
美しい文字を書くためには、ペンや筆を正しい持ち方が欠かせません。ペンと筆はそれぞれ持ち方が違うので、今回紹介した3つのコツを使ってそれぞれ正しい持ち方ができるよう訓練しましょう。とくに筆を使う場合は、持ち方や構え方にいくつかの種類があるので、書きやすさや文字にあったものを選んでください。
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